シャンプーで悪者扱いされがちなシリコンとは
シャンプーを選ぶ際「シリコン入りかノンシリコンか」を基準にしている人が増えています。
シャンプーにおけるシリコンとは「○○メチコン」などの名前で全成分表記に記載されている成分ですが、その役割は頭皮や髪に撥水性の被膜を形成しコーティングすることにあります。
撥水性というだけあって水や汗に強く、コーティングにより髪が指通りや櫛通りのいい手触りとなるためシャンプーはもちろんコンディショナーやトリートメント、さらにはウォータープルーフタイプのファンデーションや日焼け止めといった化粧品にも配合されています。
シャンプーにシリコンが使われていることで手触りがよく、絡みにくく、ツヤのある美髪へと導いてくれるのがシリコンです。
これはキューティクルつまり髪表面をコーティングすることで得られるのですが、そんなシリコンが最近ではすっかり悪者扱いされつつあります。
シリコンが悪者とされる説
シリコンが悪者とされる説はいくつかあります。
コーティングが悪さする
髪にとってはメリットとなるシリコンのコーティングは、頭皮にとってはデメリットとされいます。なぜなら頭皮までコーティングすることで毛穴詰まりの原因となってしまうから。
これはコーティングにより汚れが頭皮に残ったままになってしまい、その汚れが毛穴を詰まらせることになることで、育毛を妨げたり頭皮の炎症やニキビの発生を誘発してしまうということです。
髪に付着したシリコンがキューティクルを剥がす
キューティクルをコーティングするというのとは逆で、シリコン剤が髪に付着していることでシャンプーをするとシリコン剤と一緒にキューティクルを剥がし、これが髪のダメージへとつながるということです。
髪をコーティングすることで薬液が効きにくくなる
パーマ、カラーリングなど薬液を使用しても、シリコンが髪をコーティングしていることで薬液が浸透しにくくなり効果を得られにくいということです。逆に薬液の化学成分を髪内部に留めることでダメージの原因になるともされています。
環境に悪い
下水処理場の微生物で分解できないのがシリコンです。このため処理されないまま濃度が薄まったというだけで放流されてしまうことが環境に悪いということになります。
このように様々な説により「シリコンは悪者だからノンシリコンシャンプーを選びましょう」というような話が広まっています。
しかし実際には「シリコン成分自体が髪のダメージや頭皮トラブルの原因となった」という論文は存在しません。
つまりシリコンによる実害報告は今のところない。ということになります。
ノンシリコンのシャンプーなら安全なのか
シリコンが悪者とされるのであれば、本当にノンシリコンシャンプーが安全であると言い切れるのか。
こう問われたら筆者としては個人的には「個人差による」としか言いようがないです。
ノンシリコンシャンプーは天然由来成分が使われいて、人工的な成分がほとんど使われていないことから髪や頭皮にやさしい。と言われているため敏感肌の人にはありがたい製品となります。
ですがノンシリコンの場合シリコン入りと比べコーティング力が劣ります。
これにより指通りや櫛通りが悪かったり、髪が絡まりやすかったり、摩擦やドライヤーなどの熱から髪を守れなかったり…という理由でノンシリコンのシャンプーを使うことで髪のダメージの原因になったり、ダメージがひどくなったりする人もいます。
さらにシリコン成分だけを排除したとしても洗浄力が強いままだと、コーティング力が弱いがために洗浄成分が髪や頭皮にダメージを与えてしまう可能性も考えられます。
こうした理由からシリコン入りシャンプーにしてもノンシリコンのシャンプーにしても、これは自分の頭皮と髪との相性次第としか言えません。
ノンシリコンでトラブルが改善される人もいるし、逆にトラブルが増える人もいるのも事実なので、いろいろ使ってみて自分に合うものを選ぶのがいいでしょう。
まとめ
シリコン成分は必ずしも悪いものではありません。
なぜなら髪をいろんなダメージから守ってくれるし、配合量が極端に多量でなければ悪さをする成分ではないからです。
シリコンにこだわるよりも、それ以外の洗浄成分の種類や防腐剤などを気にしたほうがいいでしょう。
どうせシャンプーを成分で選ぶならシリコン入りか否かは、実際に使ってみて気に入ったほうを選ぶくらいでいいです。
たとえノンシリコンをうたっていたとしても、代用で似たような働きをする化学成分が使われていることもあるので。
そうした代用の成分がトラブルの原因になる人もいるので、それよりだったら今まで使っていて問題なかったシリコン入りシャンプーを選んだ方がいいということになります。